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レイン一行と山賊陣営【★★★★】 H.640

えるえる 2016年03月17日(木)17時

今回は、とある三人の旅人のお話。冷静な剣士のレイン、腕利きの槍士のミゼル、才能ありの魔法使い、アミラ。3人はそれぞれの個性をぶつけあいながらも、共に成長し、旅路を進んでいます。
ですがどうやら、その3人に怪しい影が迫っているようです。
レインたちは無事、困難を乗り越えられるのでしょうか……。


大陸:クラルス大陸 場所 アーケロイヤル近郊の山岳地帯

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「あ~、もうだる~い。ふたりとももうすこしゆっくり歩いてよ~」

「無茶言うな。これ以上ゆっくり歩いてたら、日が落ちるまでに街につけないだろ」

「あんたらとアタシみたいな魔法使いは違うのよっ、アンタらみたいに体力無尽蔵のやつらと一緒にしないでもらえるかしら」

「へ、これだからちびは根性がなくてダメだぜ」

「なんですって~!誰がちびよ、誰が!」

「誰って、おまえ以外いるわけないだろうが~」

もう、二人ともその辺にしなよ。いい争ってると、余計に体力使うからね。
そう言うと、二人は顔を見合わせ、ふんっ、といった調子でそっぽを向いた。
自己紹介が遅れた。僕の名前はレイン。軽装の装備をした片手剣士だ。
もう一人の、少し口の悪い男がミゼル。槍の扱いがとてもうまく、そこそこに名が売れている槍士だ。
そして最後が少し慎重の低いアミラ。魔法使いだ。まだ年齢は低いが、すでに火、水、風、土の魔法が使える才能ありの魔法使いだ。

僕たちはいま、山を越えた先にある都市、「アーケロイヤル」を目指して歩いている。
僕とミゼルにすれば大変な距離ではないが、アミラにとっては違った。体を鍛えていない魔法使いにとって、山道というのはとても過酷なのだ。

ちらっとアミラの方を見ると、割りと本気で辛そうだ。
仕方がない、おぶってあげよう。

「え、いいの?あはは、悪いわね」

そう言うと、アミラが僕の背にのる。

「へっ。さっすがレインは優しいねぇ。」

「アンタとちがってね!べーっ!」

「けっ、そんなこと言ってると、いざってときおぶってやらねぇからな?」

「アンタは元からおぶってくれる気なんてないでしょーがーっ」

「お、ちびすけにしてはよくわかってるじゃねぇか。正解だ」

ミゼルがニヤァ、と笑うと、それに対してアミラが怒る。もう見慣れた光景だ。
もう、せっかくおぶってるのに、喧嘩してたんじゃまた疲れるからねー?
僕は呆れて、そう言う。せっかくおぶってアミラの体力の消耗を軽くしているのに、喧嘩をして体力を消耗していては意味がない…。

「…ふん、レインに免じて、今日はこのくらいで黙っておいてあげるんだから」

「は、口の減らねぇガキだぜ…。」

ようやく二人の喧嘩が収まったようだ。
そう思ってからしばらく歩くと、山道も一段落ついたのか、平で、少しひらけた場所でた。
このあたりで、一旦休憩にしよう。

「ふう。このあたりが、山の3分の1ってところか。あとそこそこでアーケロイヤルにつけそうだな。」

適当な岩に腰を降ろしたミゼルがそう話す。
あと三分の一ほどまでこれたなら、なんとか太陽が落ちるまでにはむこうにつけるだろう。

「え~?さっきのがまだ2回もあるの?」

そういうことになる。体力に自信がないアミラには、少し酷な話しだっただろうか。
そう思っていると、がさがさ、と音を立てて、木々の茂みから、誰かが出てきた。

…いいや、一人ではない。二人、三人、四人。もっとだ。よくみると、周りの木々の後ろに隠れボウガンを構えている人影を、二人ほど見つけることができた。それで全員かは、まだわからないが。

「よお、兄ちゃんたち。そこの嬢ちゃんと荷物を全部置いていきな。」

男たちのリーダーらしき、筋肉モリモリの男がそう話す。

「ああん?なんだてめぇらは?誰に向かって命令してやがる」

すかさずミゼルが食って掛かる。どうやら彼らはこの山に住む山賊らしい。だが、ここで装備を、ましてアミラを置いていくわけにはいかない。

「おい兄ちゃん、言葉は慎重に選んだほうがいいぜ?腕に自信があるようだが、ガキ含めたアンタら3人で、この人数差はきついだろ?」

「ガキですって!?言ってくれるじゃないこの筋肉ハゲ親父!」

「…へ、気の強いガキは嫌いじゃねぇ。それも女ならなおさらだな。」

ニヤァ、と笑いながら男が剣を抜く。ああ、どうやら穏便に、というのは難しそうだ。

「うっさい!カッコつけてんじゃないわよ、ロリコンのくせに!」

「な、ろ、ロリコンだとぉ!」

「ロリコンじゃない!なーにが「嬢ちゃんと荷物を全部置いていきな」、よ。荷物はわかるけど、アタシを置いていかせてどうするつもりだったのよっ」

「ば、馬鹿野郎!そんなもん奴隷商人に売りつけるに決まってんだろうがっ!変なこと考えてんじゃねぇこのマセガキが!」

「またガキって言ったー!アンタ、もう後悔しても遅いからね!」

「へ、それはどっちのセリフかね。おいテメェら、あのガキを残して、男二人は殺していいぜ」

「へい、ダンナ。」

山賊の部下達がそう言って剣を抜く。

まずい。この人数差で、戦闘になってしまったか。
だが、なってしまったからには相手をするしかない。
意を決して、僕は剣を抜いた。

戦闘に入る前に、しっかりと確認しておく。前の敵が4人。その奥にリーダーが一人。木の陰に隠れてボウガンを構えている男が、確認できている中で二人…。
僕は剣士だ。遠距離の敵を狙うのは不利だが…
リーダーらしき男も、筋力量ではまちがいなくあちらが上だし、山賊だからと言って、技量を甘くみるべきではないかもしれない…。

では、僕はまずどう動こうか。